EP.16 珍しい楽器でも

バンドネオン

企業パーティの主催者

企業の交流パーティで「バンドネオン」という楽器の奏者がいらっしゃる。

珍しい楽器だが、奏者が気持ちよく演奏できるようにライブのセッティングをしてほしい!


「バンドネオン」はアコーディオンに似た楽器で、アコースティックなライブに向いています。

ただ、マイナーな楽器のためセッティング経験者が非常に少ない楽器なのです。

バンドネオン

しかし、偶然バンドネオンが好きで楽器自体に詳しい、というスタッフが!

そのスタッフを中心にセッティングの打合せがスタート。

バンドネオンは楽器全体から音が出るため、集音が難しい楽器です。そのため、通常はバンドネオン専用のマイクを用意する必要があります。
ですが、主催者の予算の関係上、マイクどころか奏者が自身の楽器の音を確認するためのモニタースピーカーも置けない状態であることがわかりました。

奏者からは「マイクなしでも良い」という意見も頂きました。

しかし、会場の広さを考えると、マイクを使わないと後ろの方のお客様にも良い演奏を届けることができません。音のプロとしても、この素晴らしい演奏を会場内の全員に最高のカタチで届けたいという想いがありました。

それらを予算内におさめるため、マイクは主流のもの、モニタースピーカーは会場の天井についているものを利用することを提案しました。

特殊な環境での演奏だったため、演者の方とは念入りに打合せしました。
マイクの集音の位置のこと、天井スピーカーをモニタースピーカーとして使うこと、セッティングについても何度も検証しました。

その結果、マイクは奏者の左右に設置し、天井スピーカーの真下に立っていただくことに。

ウッドベース奏者との距離も、普段より近い位置にすることになりました。

マイク調整

そして本番が始まります。

専門機材がない状態にも関わらず、奏者の方からも「ホテルでこんなに気持ちよく演奏できると思わなかった。天井スピーカーだけだったのにすごくやりやすかったです。本当にありがとうございました」と、お褒めの言葉を頂くことができました!

パーティ主催者、参加者だけでなく、奏者からも喜んでいただけたとても良いパーティとなりました。

歓声